2017年05月20日

歌庭コラボプロモーションの記事は一回お休みです ^^) _旦~~

旧家の御屋敷に住まう知己より、またまた日本刀を
見て欲しいと頼まれて出かけて行きました


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仕事着のままでしたが、ちょうど半纏も洗い立て
でしたので・・

日本刀は、 美術品としての高い評価だけでなく、
所有者の精神や死の覚悟、また神の宿る器として
その美しさが高められてきたものですから

鑑賞するのも作法というものがあります


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鞘を抜いた瞬間、現れる明るく冴えた刃紋!!

おおっ (´゚д゚`)


高田貞行4 

豪快の刀なり

この大きくのたれた互の目は備前伝かっ!?
もしや備前国長船兼光あたりの業物かっ!?

じつは、ちょっと刀剣の目利きが怪しい冬樹社長
勝手な鑑定を始めますが、むむむっ、
刀身が柄から抜けない (´゚д゚`)
目釘を外してどんなに手の拳で叩いても、
まったく緩んで来ないのです


あてぎ

そういう時は、当て木を使って小槌で叩くと
簡単に外せます☆


高田貞行2

高田住貞行

豊州(大分県) 豊後国高田庄 藤原貞行の作
江戸時代初期
後に大和守を受領して「大和大掾藤原貞行」
とも銘を切っています

日本美術刀剣保存協会評議員でもある
渡邉妙子著書の著名刀工一覧によれば
豊後 高田貞行が登載されています


高田貞行3

それにしても素晴らしい乱刃!!
刃紋が崩れていない、、頭の下がる上手さ

鎬造、庵錬、中切先。刃紋大きく湾れ、足入る。
板目肌、地煮え厚く付く。

日本人の豊かな感性を最も真摯(しんし)に表した文化財と
称される日本刀
前出の著書によれば、刀工は自然の風物をイメージして、
大海原のような形、吉野の満開の桜を思わせるような形、
また、山の峰にたなびく雲などの形を刃紋に写したといわ
れています


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豊後高田鍛冶は筑前左文字系の友行を祖として戦国時代
には大変繁栄し、江戸期に入ってもその勢いは衰えず、
全国区の需に応じていました
また作域も広く、相州伝や美濃伝、匂い本位の備前伝など
多彩にこなして万人受けしていました

豊後刀は刀剣界では備前刀などに比べると格下にみられがち
ですが、これは五箇伝第一主義に基づくもので、現在の美術刀
鑑定の視点からしても、日本刀は出来そのもので判断するべき
であり、刀剣番付や知名度での判断は間違っています

これは日本のすべての芸術家への評価にも云えることです!

さて、この高田貞行、調べて見るとあの宮本武蔵の
差料も鍛えておりました

宮本武蔵


宮本武蔵の伝記「武公伝」(宝暦5年)によれば
武蔵は貞行に自用の刀を作刀させ、長さ二尺八寸
高田貞行の銘の裏に、「新免武蔵守」と銘を切った
とあります

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武蔵の有名な五輪書には、

「総じて武具について言えば、馬も程ほど歩いてくれ、
刀や脇差も程ほど切れ、鑓長刀も程ほど射通せればよく
弓や鉄砲も強い破壊力などなくてよい。
武器をはじめとして、特定の道具を偏愛することがあっては
ならない。
過剰は不足と同じ事である。人真似などせずに、武器は自分の
身に応じた使い勝手がよいものであるべきだ。
武将・士卒ともに、物に好き嫌いがあってはならない」

と記しています
さすが、天下無双の宮本武蔵
高田刀はこの文の趣旨に適うものであるのでしょう


高田貞行1

高田住貞行作ノ刀
武器としての役目を終えた今も人の心を魅了
し続けていくでしょう

後世に大切に残して行って欲しいですね




スミマセン💦
次回は「歌庭コラボプロモーション③IN岐阜」です
ご期待下さいっ









冬樹社長fuyukitabata at 20:50│コメント(8)トラックバック(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 法眼社長   2017年05月20日 21:05
「日本刀は出来そのもので判断するべきであり、刀剣番付や知名度での判断は間違っています」
同感だ。
「これは日本のすべての芸術家への評価にも云えることです!」
そのとおり。
だが最初の目利きで、備前国長船兼光といったのは誰だ(笑)
2. Posted by Eedowa-do   2017年05月20日 22:06
五箇伝は山城(京都)、大和(奈良)、相模(鎌倉)、備前(岡山瀬戸内市)、美濃(岐阜関市)だよ。
そのとおり。時の権力者の都合で決めただけだ。
日本刀、そして芸術や美術を本当に理解し愛好し得ていない人、否出来ない人達の世迷い言を真に受けてはいけません。
良いものは良い!悪いものは悪い!
諸君、日本の芸術文化のために見る目を養おうぞ!!
3. Posted by ハイホー安田   2017年05月20日 22:38
5 そうだそうだ!!
だが、「歌庭コラボプロモーション③IN岐阜」はどこ行った?!
岡本麻里菜さんの画像を楽しみにしているんだぞ(-"-)
4. Posted by NIWA   2017年05月21日 05:12
宮本武蔵、いいことを云う。
「吾唯足知」と同じか?
作庭の精神にも繋がりますね。
6. Posted by 合田香   2017年05月21日 10:02
冬樹社長のブログは教養が高くて、読み物として大変面白く参考になります。
いつも興味深く拝読しています。
歌庭コラボIN岐阜も期待しております。
7. Posted by ゆきひろ   2017年05月24日 22:29
地元、大分県歴史博物館では江戸時代の刀工のなかでも、とくに銘工として藤原貞行と行長を紹介していますね。
これは貞行のなかでも上出来の一振りでしょう。大切になさって欲しいです。
8. Posted by 来俊生   2017年05月27日 20:20
おおっ、いつだったか日光東照宮の宝物館で、拵えに入った高田貞行が展示されているの見た覚えがあるな。
9. Posted by 富士BB   2017年05月28日 22:13
はじめまして!
高田貞行といえば、承応(1652)万治(1658)頃の豊後名工ですな。
後に大和守を受領しまして「大和大掾藤原貞行」とも銘を切っています。
大掾(だいじょう)は、いにしえのアーティストの最高の名誉号ですね☆

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